沖縄黒糖に関するあれやこれ

沖縄黒糖のトレンド

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※沖縄黒糖研究所(空想)研究員「まいまい」による、沖縄黒糖に関するレポートの連載開始!
現時点(2022年9月6日時点)では沖縄黒糖研究所は存在しませんが
研究者的な観点から沖縄黒糖情報を発信して参ります。

私たち沖縄黒糖に関わる者として、昨今の消費トレンドを把握して、沖縄黒糖が多くの消費者にヒットするには何が必要かを考察するため、これまでの沖縄黒糖のブームを調査しました。今回はGoogle Trendsを使って、過去12カ月間のフード・ドリンクカテゴリにおける沖縄黒糖のトレンドについて「沖縄黒糖」をキーワードに知らべてみました。Google Trendsではキーワードごとに人気度の動向(検索インタレスト)を把握することができます。

図1は沖縄黒糖に関する2021年8月~2022年7月の12カ月間の検索インタレストの推移を示しているグラフです。沖縄黒糖の検索インタレストは増減を繰り返しながら、4月中旬に大きくピークを迎えていることが分かります。週ごとの推移をみてみると、沖縄黒糖のインタレストは2022年4月17日~4月23日の週からインタレストが上昇し、4月24日~30日の週がピークとなりました。この時期に何があったか皆様覚えていらっしゃいますでしょうか。4月11日からNHK朝ドラ「ちむどんどん」が放送開始され、沖縄が注目をされ始めた4月16日から株式会社セブン‐イレブン・ジャパンで沖縄フェアが全国で開催されていたことは記憶に新しいのではないでしょうか。この沖縄フェアでは沖縄の食材の一つとして「沖縄黒糖」を取り上げていただき、黒糖メロンパンや黒糖ロールケーキなど、なんと沖縄黒糖を使った商品が14品も販売されました。CMの放映もあったことで、この時期多くの人が検索した結果だと言えるでしょう。このフェアの実施により、沖縄黒糖への注目度が一気に上がったことが分かりますね。また4月23日にはTBSテレビ「ジョブチューン」でセブンイレブンの沖縄フェアで販売された沖縄黒糖商品が登場したことも、このピークに影響しているでしょう。また、沖縄料理をテーマにしたNHKの朝ドラ「ちむどんどん」が放映されていたことで、沖縄に関する商品や出来事に注目が集まり、沖縄黒糖の検索インタレストにも影響したと推測されます。

 

図 1 沖縄黒糖の人気度の動向(2021年8月~2022年7月)

しかし、翌週の5月1日~7日の週は高い値を維持するものの、その後の検索インタレストは下落傾向となりました。また2022年7月24日~30日の週の検索インタレストは約1年前である2021年8月1日~7日のそれよりも低い値となりました。

 

表 1 沖縄黒糖の人気度に変動のあった主な週と数値(2021年8月~2022年7月)

 

また、2021年8月~12月におけるピークも確認してみると、2021年12月19日~25日の週にピークが確認できます。この時期どのようなニュースがあったかというと、瑞穂酒造株式会社による与那国の黒糖で作られたラム酒の販売、沖縄地区JALグループによる沖縄黒糖入りのヘアオイルの販売、オリオンビール株式会社による沖縄黒糖入りのビールの販売など、様々な新商品販売が発表されました。これら新商品の発売により「沖縄黒糖」というワードが露出する機会が増え、その結果、検索インタレストが上昇したと考えられます。しかし、翌週の2021年12月26日~2022年1月1日までこのトレンドが続くことはなく、検索インタレストは大きく下落しました。

さらに、2022年1月~7月における数値の高かった週についても確認してみました。セブンイレブンのフェアで大きな注目を集めた4月以降、5月15日~21日、6月12日~18日、7月3日~9日の検索インタレストは50~60と比較的高い数値を記録しています。5月15日~21日の週は沖縄関連のイベントが多い週でした。横浜では沖縄復帰50周年の記念フェアが、川崎や岡山の商業施設では沖縄フェアが開催され、それらのフェアで沖縄黒糖が販売されました。6月12日~18日の週は2021年12月19日~25日の週同様、沖縄黒糖の様々な新商品の販売が発表された週でした。株式会社不二家から沖縄黒糖を使用した黒蜜を使ったあんみつ、メゾンカカオ株式会社からは波照間産黒糖を使用したチョコレート、株式会社虎屋の沖縄黒糖を使用した羊羹が入ったかき氷などの新商品の販売が発表されました。7月3日~9日の週は、NHK朝ドラ「ちむどんどん」で沖縄黒糖がテーマとして取り上げられた週でした。ヒロインたちがエネルギー補給に黒糖を食べたり、黒糖20kgが沖縄相撲大会の景品となったりと、沖縄黒糖を思わず食べたいと思われた方も多いのではないでしょうか。また、7月5日からダブルツリーbyヒルトン那覇首里城で沖縄黒糖料理を提供するランチビュッフェが開催され、沖縄県黒砂糖協同組合の各種SNSで大きく取り上げられました。このように検索インタレストが比較的高い週にはイベントや新商品の販売発表などにより、消費者が沖縄黒糖に興味を盛ったり、実際に沖縄黒糖や関連商品を手に取ったりと、消費者接点が増えたと考えられるでしょう。

沖縄黒糖の検索インタレストから、沖縄黒糖に関する大きなフェアや黒糖関連商品の販売により検索インタレストが上昇することが分かりました。フェアや新商品販売は、沖縄黒糖をもともと好きな消費者だけでなく、普段沖縄黒糖に馴染みがない消費者が沖縄黒糖に興味をもつきっかけ作りに重要だと言えるでしょう。沖縄黒糖に興味を持つ消費者が今まで以上に増えることで、沖縄黒糖の消費拡大が期待でき、沖縄黒糖の在庫解消にも有効だと考えられます。ただ、フェアや新商品販売が落ち着いている時期は沖縄黒糖への検索インタレストが下がることも事実です。消費者の沖縄黒糖への興味を継続させるためには、継続的なフェアの実施にて沖縄黒糖商品の取扱い、期間限定商品であった沖縄黒糖商品の定番商品化など、消費者が沖縄黒糖に触れる機会を絶やさないことが望まれます。

 

※人気度の動向で示される数値は、特定の地域と期間について、グラフ上の最高値を基準として検索インタレストを相対的に表したものです。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合は人気度が半分であることを示します。0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。

 

著者:まいまい
8島の離島で作られている沖縄黒糖の奥深さに魅了され、「沖縄黒糖」とつく商品に目がありません。日本中のご家庭に沖縄黒糖が常備されるのを目標に、沖縄黒糖の魅力発信を続けます!

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