Interview

オキコ株式会社 商事事業部 事業部長 比嘉 直次 さん
「県内メーカー・卸として、沖縄黒糖の消費拡大と認知度アップに貢献したい」

比嘉 直次さん オキコ株式会社 商事事業部事業部長 
比嘉 直次 さん オキコ株式会社 商事事業部 事業部長
オキコ株式会社 商事事業部にて、沖縄黒糖使用商品を含む、オキコ商品の営業を担当。昨年11月に開催された「第1回沖縄黒糖サミット」には、沖縄会場から参加。

「黒糖の日(5月10日)に合わせて沖縄黒糖を使用した商品開発を実施した、オキコ株式会社の比嘉 直次事業部長に商品開発や沖縄黒糖についてのインタビューを実施いたしました。」(インタビュー日:6月10日)

黒糖の日(5月10日)に合わせて開発・販売した新商品について、開発の背景を教えてください。

沖縄黒糖を使用した商品開発のきっかけは、沖縄県黒砂糖協同組合が今年1月末に発表した「8島マーク」がきっかけです。今回の新商品は、「黒糖ちぎりパン」と「黒糖練乳フランス」というどちらも定番商品として売れているパンからインスピレーションを貰い、開発しました。通常は、開発に最低でも半年程はかかりますが、5月10日の黒糖の日の販売に間に合わせたいと思い、「8島マーク」発表後の2月から、急ピッチで開発を進めました。同時に複数の商品で開発を進めていましたが、最終的に納得のいく開発ができた「黒糖ちぎりパン」と「黒糖練乳フランス」を採用しました。どちらのパンにも西表島産黒糖を使用し、商品には「8島マーク」の西表島黒糖のマークを付けています。西表島の黒糖はコクがあり、パンに使いやすいと感じています。

黒糖ちぎりパン(左)と黒糖練乳フランス(右)
「8島マーク(西表島黒糖のマーク)」

2つの新商品について、商品の特徴を教えてください。

以前、ココア味のちぎりパンを販売していた実績があり、黒糖も同様に美味しく、消費者に受け入れられるのではないかと予想できたことから、黒糖ちぎりパンの開発に至りました。通常のパンは生地をプレーンにして生地のおいしさをアピールしますが、黒糖ちぎりパンでは、生地に黒糖を練りこむだけでなく、アクセントとして黒糖のジュレ(透明な液体ジュレに黒糖の粒が入っている)を入れています。黒糖ジュレが入っていることで黒糖生地の中に黒糖の味わい深さが引き立てられて、また「ジャリ」という食感から黒糖を食べているように感じる所が強みです。黒糖の生地だけを食べたり、黒糖の生地と黒糖のジュレを一緒に食べたりなど、様々な形でお楽しみいただけると思います。

黒糖練乳フランスは、フランスパンとコッペパンの中間となるようなやわらかさの生地に仕上げており、もっちりとした食感に仕上げています。クリームは、北海道の練乳クリームと沖縄県の黒糖を使用し、日本の北と南の素材がコラボレーションしたクリームになっています。開発者の日本の北と南の味を一度に味わってもらいたいという想いが反映されています。

オキコ株式会社から販売されているパンや菓子、かちわり黒糖

今後の開発について、計画がありましたら教えてください。

先ほどの黒糖練乳フランスでは、北と南の素材がコラボしていましたが、同じように、今後は地域の素材とコラボレーションした商品開発を進めていきたいと考えています。今はじっくりと時間をかけて、商品開発をしているところです。また、弊社では西表島の黒糖を使用していますが、将来的には、沖縄黒糖8島の黒糖を使った商品の開発もしたいと考えています。

オキコ株式会社における、沖縄黒糖について、教えてください。

弊社の強みとして沖縄黒糖の販路拡大に対して、2つのアプローチが可能であると考えています。それは、「メーカーとしての商品展開」と「卸としての商品展開」ができるという2つの方法です。この2つを持ち合わせている企業はなかなかいないと思いますので、これからも双方向からのアプローチによる沖縄黒糖の消費拡大と認知度向上に力を入れていきます。  今回の「黒糖ちぎりパン」と「黒糖練乳フランス」は7月末まで販売が続く予定で、8月以降の沖縄黒糖商品については現在、開発を進めているところです。沖縄黒糖は沖縄の離島を代表する基幹産業ですので、さとうきび生産者や黒糖産業を支えるために、弊社では黒糖と黒糖商品の販売を通じて貢献できればと考えています。